出会いは必然

理事長の孫の友人。
大学の同期が猫かわいがりする妹。
密かにファンクラブまで存在する。

小さな小さな興味本位。

長く伸ばした髪は手入れが行き届いておらず、先が跳ねている。
しかも無造作に黒い味気の無いゴムで一本縛りである。その上、髪を飾る物は一切無い。
運動ばかりしているせいで、小麦というには、もう少しオシイ感じの肌。
睨むような挑むような大きな眼に何をして付いたのかしれない左眼に走る顔の傷。
ちなみに成績は、中の中、もしくは中の上程度。

無愛想な上に、自分に手をかけない、このご時勢に、非常に貴重な存在とも言えないことは無い。

だが、俺様の好みは年上の美人だ。

色白で色気もあって愛嬌もある。
ついでに頭も適度に良ければ、なお良い。


まぁ、でも、いじって、楽しむには丁度良さそうだ。

コイツを餌にすりゃ、同期も理事長の孫も、言うことを聞くようになるかもしれない。


そう、最初は興味本位。
そして、今は利用価値。

それだけだ。

出会いは必然。俺様が仕組んだレールの上。

せいぜい利用させてもらう。

だから、早く、この罪悪感は消えてくれ。